I’m fine. は不機嫌な感じ!?冷たく感じる!?
How are you?ーI’m fine.
皆さんはこのやり取りをどのように感じましたか。
①「調子はどう?」ー「いい感じだよ!」
②「調子はどう?」ー「まあ、なんとか大丈夫ですよ。」
実際のテンションにも若干左右されますが、多くの場合②のように解釈されます。
※I’m fineは少し古風な固い表現で、一部のイギリス人の間では普通に使われます。イギリスのposhなイメージに合致しますね☺今回は例外を除き、カジュアルな場面でI’m fineを使うとどのように伝わるのかについて紹介します。
えっ!fineって素晴らしい!最高!みたいな意味ではないの?と思いますよね。
なぜ若干調子悪そうな、不機嫌そうな冷たい感じに伝わるのでしょうか。
fineの原義は「終わり」
fineの原義は「終わり」です。この「終わり」のイメージを頭に入れてこれから先の内容を読んでください。
辞書を引くと、その辞書にも日本語訳に「素晴らしい」「元気な」などの一見100%ポジティブな言葉が飛び込んできます。「申し分ない、素晴らしい」と受け取れるものももちろんあります。
例えば、
a fine house (素晴らしい家)
これは家の素晴らしさが極限の状態にある。素晴らしさを測る物差しがあるとしてMAXの状態にある。素晴らしさが完成されている。それ以上はない。=「終わり」
a fine house の fineを分解すると上記のような解釈になります。
他にも、fine gold(純金)=「goldが完成されている、金が極限の状態にある」のように使われます。
I’m fine.は会話「終了」?
ではI’m fine.はどうなるのか。
私の状態が極限の状態にある。私の状態を測る物差しがあるとしてMAXの状態にある。私の状態は完成されている。それ以上はない。=「終わり」
さて、「素晴らしい家」のところに「私」を入れてみましたが、皆さんどう聞こえましたか。
なんというか、冷たく感じませんか。ここまで、言い切られるとそれ以上会話を続ける気もなくなってしまいます。
「私は素晴らしく調子がよく、これ以上あなたとお話することはありません。」
かなり極端な訳かもしれませんが、このように伝わることが多いです。fineの「終わり」の原義がじわじわ効いています。
本当は調子が悪かったり、不満足であったりするけれど、「いえ、大丈夫です。調子いいので。」と敢えて伝えて会話を終了するパターンが日本語でもありますよね。礼儀や強がり、やせ我慢などで使われている印象ですが。
そうそう、堅苦しい表現であると言いましたが、丁寧すぎたり、堅苦しすぎたりすると、かえって失礼にあたる場合がありますよね。まさにその感じとも言えます。文化的にイギリスでは失礼に聞こえないってことなのでしょうね。
ちなみにfineにはveryは用いません。すでに完成されていて、それ以上はないので、それ以上程度を強調することはできないということです。justなら使えます。極限状態を”極限状態”だよ!と強調しているイメージです。
fineを使った他の例
★This car is fine.(この車で事足りるよ。)
→必要最低限のニーズを満たす=その点においては完成されている
「この車はすばらしい!!」といっているケースは少なそうです。
★a fine excuse (ご立派な言い訳)
→素晴らしい、完成された言い訳と皮肉っぽいですね。
★It’s fine. (主にイギリスで、天気がいいですね。=雨ではない。)
→雨の日が多いイギリスでは、雨が降っていないだけで天気が完成されている!といった感じでしょうか。
以上のように様々な使われ方をしますが、共通して言えるのが、必ずしも「素晴らしい!!」と100%ポジティブに使われるわけではない!ということです。
fineという単語についての理解が少しでも深まればいいなと思います。かっこよくfineを使いこなせるよう練習してみてください🌟