前回に引き続き、英検一級二時試験の様子をお話しします。
いざ入室!
May I come in? と英検定番の入室作法で二次試験は始まりました。
学校の教室くらいある広々とした部屋に、大きな机を挟んで試験管が2人。受験者用の椅子も二脚用意されていたので、どちらに腰掛けようかなと思いながら、笑顔で軽く挨拶を交わしました。
me “Hello :)”
interviewer “Hello. Please take your seat.”
me “Thank you😊”(ここが荷物置きで、その隣に座ればいいのね😌)
とにかく感じよくにこやかに、日本語で初対面の人と会話をするように、『いつも通り』に対話することを心がけました。(へんに飾らない!無理しない!)
へんに自分をよく見せようと背伸びをすると、私の場合余裕がなくなって、本来集中すべきことに力を割けなくなってしまうので、対人の一発勝負の瞬発力が問われる面接なだけに『いつも通り』を心がけました。(試験管も何十人、何百人と受験者を見ておられるので、付け焼き刃的な返答や振る舞いはすぐに見抜かれるはず…。実際教員として試験官の立場を何度も経験しましたが、分かってしまう気がします💦そこで突っ込まれたり、込み入った質問が来たりしたら焦ります!)普段できないことが、面接でできるはずないと思いました。
・How did you come here?
・How long did it take?
・Please tell me about yourself.←これに関しては、流石にキーワード箇条書きレベルで何を話すか事前に内容をピックアップしておきました。英語云々の前に、内容がなかったら、日本語同様、何も話せないやと思ったので。
事前準備の仕方
試験当日を迎えるまでに、事前に試しに自己紹介を英語でしてみました。言いたいことは決まっているので、あとは普段から使い慣れている簡単な表現を駆使して英語でアウトプットするだけ!自信を持って使える簡単な表現のみを使うことにしているので堂々と話せることが心地よい!
ところが、ときどき、○○を言い表すための簡単な表現さえも持ち合わせていない!ということが起きます。
そうなれば辞書で調べて、意味・スペル・発音、そして使い方を全てマスターし何度も何度も練習し、自然に使えるようになるまでしつこく使うようにします。これを繰り返していくことがスピーキング力アップには欠かせないです。
自分が言いたい内容に合わせて英語を紡いでいく方が自分の言葉として定着するように思います。伝えたいことがあって初めてそこで言語の力を借りる!この順番がしっくりきます。
いざ言いたい内容を言語化する際には、辞書だけでなく、参考書、過去問の模範解答、ネット記事など気に入ったものがあればどんどん真似していくべきだと思います。少し時間はかかりますが、楽しんで取り組める私のおすすめを紹介します。
おすすめのスピーキング練習法
自分好みの映画主人公の英語を真似る
日本語でも標準語、関西弁、敬語、もっとカジュアルに言うと、ギャルが使う日本語とお嬢さんが使う日本語もそれぞれ言葉遣いから雰囲気まで結構違いますよね。その人が話す日本語はその人のキャラクターや個性をよく表していて、英語にも同じことが言えます。
お手本の英語を適当に選んでしまうと、普段活発なギャルの女の子が、気が付かずにお嬢さん言葉を使っていて、自他ともに違和感がありすぎる!なんてことになりかねない(それはそれでチャーミング?かもしれない。)ので、本人が自分のアイデンティティとしてこだわりたいのであれば、お手本の英語選びにもこだわってほしいです。
自分の好きな映画、登場人物を見つけたらまず英語音声、日本語字幕で観る。セリフの内容が大体頭に入ってきたら、次は英語音声、英語字幕で見る。これを何度も何度も繰り返します。特に好きなシーンがあればそこばかりを繰り返してみるのがいいかもしれません。自然な文脈の中で自然に使われている英語を真似できれば、それをそのまま自然に日常生活に使うことができます。その映画の主人公のキャラクターを知っているので、英語学習途上であっても、どんな雰囲気の英語を自分が話しているのかが分かり安心して発話できるのではないでしょうか。この真似の繰り返しが積み重なると、口が英語に慣れて、だんだん真似ではなく自分の言葉になっていきます(経験談)。登場人物になりきって楽しみながら取り組んでみてください。
試験開始〜トピックカード〜
試験当日に戻ります。簡単な日常会話を経て本題に入ります。
いよいよトピックカード(5つのトピックが記されたもの)を渡され、5つのお題の中から1番自分にとって答え易そうな問いを選び、そしてスピーチの内容を考えます。制限時間はたったの1分。早くトピックを決めてしまわないと、スピーチの内容を考える時間がなくなってしまいます。10秒でトピックを決め、50秒でスピーチを考える作戦で臨みました。
予定通り、一番自分にとって答えやすそうなトピックをささっと選び(=そのトピックを見た瞬間に話す内容が最低一つは思い浮かぶ)、スピーチの内容を考えます‥!
しかしながら、理由を二つ考えたいのに、初めに思いついた一つに捉われてそれ以上思いつかないという事態に陥ったので、予定変更!理由は一つにしてその理由を掘り下げてスピーチすることにしました。本当は理由二つの方がスピーチの構成としては頑丈なのだろうけれど、時間がもったいないので潔く作戦を変更しました。
あっという間にピピピッとタイマーが鳴り、1分経過。感覚としてはスピーチの内容準備6割程度でスピーチを開始することに。
とにかく心掛けたのは、途切れることなくスムーズに自然に話し続けること。もちろん中身も大切ですが、頭の回転が追いつくギリギリのスピードまであげて、2分間話し続けました。準備した内容を言い終わったら、あとは理由を掘り下げていきました。主張→理由(なぜなら〜)を繰り返しあっという間に2分が経過してしまいました😅
最後のまとめまで言い切れずに、途中で中断してしまったことに若干ショックを受けながらも、質疑応答に進みます。
質疑応答
2分のスピーチ終了後は、試験官がスピーチに関する質問をしてくださいます。ここでは、質問に対して的確に論理的に答えていく必要があります。制限時間は4分です。
私が受けた時の全体的な印象としては、会話のキャッチボールを円滑に自然に行えるか、質問に対してかなり的外れな回答をしていないか、この2点に気を付けていれば大体大丈夫なのではないかと思いました。
英語が聞き取れなくてもう一度お願いしますといったことはなく、やり取り自体は日本語でのやり取りと同じくらい自然なものでした。私は中身に意識を向け、とにかく質問に対して論理的に答えようと考えながらスピードを落とさずに話し続けました。
スピーチの後、コミュニケーションを取り始めると、雰囲気が良くなり、まるで友人とカフェで話しているような感覚でした。やはり試験官も人間なので、こちらの働きかけ次第でにこやかに対応してくださることもあるのだと思います。
そのためか、とてもリラックスした状態で、素直に自信を持って質疑応答に臨むことができました。
すぐに思いつかない内容があった時には、oh, I think that’s really difficult to answer… How can I say… let me think…などなど言ってしまいましたが、試験官の方が、それに対しても反応してくださり、カジュアルなおしゃべりのような時間になりました。少しくらいなら本音を漏らしても大丈夫そうです。とにかく自然にを心掛けました。日本語で同じことをしてもそんなに違和感がなければ、素直に難しい質問ですね^^;!と言ってみるのもありかもしれません。
実際私が受けた質問でHow can you solve it?と言ったものがありましたが、完全な解決策は現状すぐには提示できないだろうと思い、I think it would be difficult to be 100% solved but ○○ can help make the situation better.のような答え方をしました。特に問題はなさそうでした!
そうそう、HOW系の質問が多かったように思います。
試験終了、退出
ピピピッ、あっという間に4分間の質疑応答が終わり、トピックカードを返します。
試験官にお礼を言い、席を立とうかと思ったその時、試験官の方が笑顔で、Thank you;) We had a good time with you. I’m wishing the best for you and your baby!!と言ってくださいました。とても嬉しくて、その時はこれは受かったぞ!と一瞬舞い上がりました😅。(試験内容とはそこまで関係がないはずですが、明るい一期一会の出会いをいただけたことに嬉しくなりました。)
少なくとも、日本語のように自然な流れで終始やりとりが出来た。試験官と笑顔で楽しくやりとりができた。自分が話している内容に常に考えを巡らせ確認しながら、落ち着いて意見を述べることができた。
このような気持ちで試験会場をあとにしました。多分受かっているのでは‥?というのが正直な気持ちでしたが、蓋を開けるまでは分からないので、結果発表まで少しドキドキしながら待ちました。結果は合格でやっと英検を制覇した!と思うと嬉しくなりました。
世の中には一次二次共に満点に近い状態で合格をしている人もいらっしゃるので、同じ合格でも私の合格はまだまだかもしれませんが、二次試験だけでも満点近くを得点できたのはかなりの自信に繋がりました。引き続き英語力を磨いていきたいなと思えた瞬間でした。
英検一級二次試験に求められているもの
そもそも英検一級の二次試験は英語力の前に、論理的思考力、判断力、瞬発力が問われていると感じるのは私だけでしょうか。質問に対する答えを丸暗記して、それをそのまま答えるようなスタイルをとっている場合は除きます。
試験官の質問に対してスムーズかつ的確に中身のある内容を返せるかがかなり重要で、これは英語力の前に、言語の力を借りてアウトプットする前の段階の思考の段階がかなり試されているのではないか!と思っているのです。試しに日本語で二次試験の面接練習をしてみてください。割と難しくはありませんか?日本語で実際にスピーチまでしなくても、質問に対する自分の考えが1、2個すぐに出てくるでしょうか。英語力云々の前にまずはこの練習が不可欠だと考えます。ただ日本語でやっていては、英語の語彙習得の機会減少に繋がり、少し勿体無いので、思考力がかなり重要だということを実感できたら、日本語ではなく、英語で練習してください!
試験を受けるにあたり、英語力以外の部分も鍛えられることが多いと思うので、受験を悩んでいる方は、ぜひスキルアップのためにも一歩踏み出してみてください!
結構にこやかに楽しく受験ができてとても良い思い出になりました。
ここまで読んでくださりありがとうございました😊